温室効果ガス排出量モニタリングの世界的リーダーであるGHGSat社へ出資
ロンドン, 2023年9月8日 — ジャパン・エナジー・ファンド(JEF)が運営する脱炭素テックファンドを通じて、GHGSat社に出資しましたので、お知らせします。
GHGSat社はカナダ、モントリオールに本拠を置く、温室効果ガス排出量モニタリングの世界的リーダーです。同社は、自社の衛星と航空機センサーを使用して工業現場から直接、温室効果ガス排出量を測定し、企業や政府、金融サービスに有益な情報を提供しています。 今回のシリーズCの資金調達ラウンドでは、Fonds de solidarité FTQ、Investissement Québec、Business Development Bank of Canada (BDC) Capital、Climate Investments、 the Bank of Montreal (BMO) をはじめとする投資家からの投資も含まれています。
(イメージ:©️GHGSat)
背景
温室効果ガスの排出を軽減するためには、排出源のモニタリングと特定が非常に重要です。特にメタンは、20年間で二酸化炭素よりも86倍の温室効果があるため、世界的な規制が強化されており、地球温暖化を制限する重要な手段となっています。石油・ガス業界のような排出業者から、金融業界のような排出報告の必要性がある業界まで、あらゆる業界の企業が正確でアクセスが容易なデータを必要としています。GHGSat社は、世界レベルのモニタリングだけでなく、対策推進に必要な個別の排出源レベルの解像度でのモニタリングを可能にします。
メタンと二酸化炭素の排出源の特定と削減は、特に化石燃料に依存する日本にとっても必要です。日本は世界最大のLNG輸入国であり、政府は特にエネルギーと廃棄物セクターにおけるメタン排出を削減するための国際的な公約や取り組みに参加しています。GHGSat社の技術とデータは、日本の官民セクターの削減目標とネット・ゼロ目標の達成を推進します。
GHGSat社の衛星とプラットフォームについて
GHGSat社は、施設レベルのメタン排出をグローバルにモニタリングすることで、排出源を特定し予測することができるサービスを提供しています。同社は、自社の衛星を含む複数のセンサーや情報源からのデータを統合し、排出パターンとトレンドを分析することで、排出を削減しモニタリングコストを下げます。同社は、2023年末までに打ち上げが予定されている3機の新衛星と、2024年に打ち上げが予定されている4機の新衛星で、余剰スペースの貸し出しの衛星サービス契約を結んでいます。同社は、2016年に最初の衛星を打ち上げ、現在9機の衛星を軌道に乗せています。測定値は、第三者の商業組織や科学組織によって厳密に検証されています。GHGSat社のソフトウェアプラットフォームは、モニタリングとデータサービス、解析とアラートを提供し、サブスクリプションの階層によってはさらに付加的な洞察とアラートを提供します。
GHGSat社について
GHGSat社は、自社の衛星と航空機センサーを使用して工業現場からの直接温室効果ガス排出量を測定し、企業、政府、金融サービスに有益な情報を提供しています。同社は、独自のリモートセンシング技術と特許取得済みの技術を活用し、モニタリングおよび分析サービスを通じて戦略的な意思決定を可能にします。これにより、他の技術と比べて低いコストで、より高い精度と頻度でサービスを提供しています。
URL:https://www.ghgsat.com/en/
コメント
GHGSat社 CEO ステファン・ジェルマンさまからのコメント
GHGSat社は、新たにJAPAN ENERGYファンドを重要な投資家として歓迎します。日本市場へのより良いアクセスを実現し、それがもたらす新たな機会に期待しています。
JEF創業者兼ENECHANGE株式会社代表取締役CEO 城口洋平
日本および世界におけるエネルギー転換を加速させる当社の目標と合致する革新的な企業であるGHGSat社へ投資できることを嬉しく思います。温室効果ガス、特にメタンの排出量をモニタリングすることは、脱炭素化への取り組みにとって極めて重要です。GHGSat社のサービスは、排出源の可視性を向上させ、排出を削減・停止するための適切な行動を導くことに役立つと確信しています。