電気自動車向けワイヤレス充電の世界的リーダーであるWiTricityへ出資
ロンドン, 2022年7月13日 — ジャパン・エナジー・ファンド(JEF)が運営する脱炭素テックファンドを通じて、WiTricity Corporation.(以下、WiTricity)に出資いたしましたのでお知らせします。脱炭素テックファンドを通じた出資は4社目となります。WiTricityは、電気自動車(EV)向けワイヤレス充電に磁界共鳴方式を用いた安全かつ効率的な距離による無線電力伝送を開発・実用化する米国企業であり、今回の資金調達では、シーメンスをはじめとする複数の投資家からの出資を受けています。
(Image Source: WiTricity)
背景
世界が脱炭素社会を目指すなか、電気自動車(EV)の重要性はますます高まることが予想されます。日本では、経済産業省が2030年代半ばまでにすべての新車販売を電動化し、ガソリン車の新車販売を事実上禁止する目標を掲げています*1。この目標を達成するためには、電動車両の比率を飛躍的に高める必要があります。2022年5月の自動車販売台数に占めるEV/PHVの割合は、3.3%※2に増加しており、日本のドライバーの選択が電動車両に徐々に傾倒していると言えます。WiTricityのシームレスなワイヤレス充電ソリューションは、充電ケーブルが不要なため、駐車して充電するだけで、誰もが簡単に利用することができます。
*1 経済産業省「2050年のカーボンニュートラル実現によるグリーン成長戦略」より
*2 日本自動車販売協会連合会のデータをもとにエネチェンジが算出
WiTricityのワイヤレス充電技術について
WiTricityの技術は、地上に設置された充電パッドから、EVの下側に取り付けられた受信コイルに無線で電力を送信するため、充電ケーブルは必要ありません。同社独自の磁気共鳴技術は、2つの共鳴器による磁界共鳴方式により高効率な電力転送を可能にし、独自のチューニング技術により幅広い条件下における効率的な充電環境を実現しています。充電パッドは、住宅や車道、立体駐車場用の地上設置型と、駐車場や縁石の塗装に埋め込む地中設置型があります。WiTricityの充電パッドは平らで共鳴範囲が広いため、車高の違う乗用車からトラック、バスなどの商用車まで幅広い車両に対して安定充電できる柔軟性を備えています。さらに、位置の許容範囲があるため、お客様は充電するために車両の位置を完全に合わせる必要はありません。
Website: https://witricity.com/
Comments
JEF創業者兼ENECHANGE株式会社代表取締役CEO 城口洋
WiTricityへの出資を発表できることを大変嬉しく思います。EVの普及に伴い、ドライバーにとってより簡単でよりスマートな充電ソリューションを提供できる技術革新が、今後さらに強く求められると感じています。WiTricityの技術はまさにそれを実現するものだと確信しています。ワイヤレス充電がEV充電分野におけるゲームチェンジャーとなり、多くのドライバーがガソリン車ではなくEVを選ぶようになることで、さらなる脱炭素化につながると確信しています。
Alex Gruzen, CEO of WiTricity
WiTricityはEV用ワイヤレス充電プラットフォームで業界をリードしています。JEFが、車を駐車場に駐車して立ち去るのと同じくらい簡単に充電できるようにするという当社のビジョンに投資してくれたことに大変感謝しています。